卵の「賞味期限」とは?賞味期限の決め方や卵の賞味期限の疑問を解説
オムレツやゆで卵、焼き菓子や卵焼きなど、幅広い料理に活用できる食材が卵です。食生活に欠かせない食材だといえるでしょう。その反面で卵は、食中毒の恐れもある食材なので、賞味期限や適切な保存方法は守りたいものです。
そこで今回は、卵の賞味期限について解説していきます。卵の賞味期限の決め方や、さまざまな卵の賞味期限についての疑問についてお話ししていきましょう。
卵の「賞味期限」とは?
まずは、卵の賞味期限について、賞味期限の意味や決め方などを解説していきます。
「賞味期限」とは?「消費期限」との違いとは?
店頭で購入する食品には、パッケージに必ず「消費期限」や「賞味期限」が表示されています。両者の違いは、ご存知でしょうか。
「消費期限」とは、未開封のまま適切な方法で保管していた場合に「安全に食べられる」期限を明記したものです。消費期限は、基本的にこの期限を過ぎたら食べられません。サンドイッチやケーキ、お弁当や生麺など、傷みやすい食品へは消費期限が記載されているでしょう。
一方「賞味期限」は、パッケージを開けずに適切な保存方法で保管していた場合に、「品質が変わらずおいしく食べられる」期限を明記したものです。この期限を過ぎても、直ちに食べられなくなるわけではありません。カップ麺やスナック菓子、缶詰やペットボトル飲料など、消費期限と比較すると傷みにくい食品には、賞味期限が記載されているといえるでしょう。
卵に記載されているのは、なぜ「賞味期限」?
痛みの早い食品には消費期限・傷みにくい食品には賞味期限の記載されることがわかったものの、卵は傷みやすい食費にもかかわらず「賞味期限」が記載されているのはご存知でしょうか。実は卵の「賞味期限」は、生食できる期限を表示しているのです。
卵の賞味期限はどのように決められている?
卵は、食中毒の原因となるサルモネラ菌が付着する可能性のある食品の一つです。そのサルモネラ菌は保存状態と季節(温度)によって異なることが、英国・ハンフリー博士の研究によってわかりました。具体的には産卵後次の期間を過ぎると、サルモネラ菌が急激に繁殖し始めます。
- 7月から9月:16日
- 4月から6月:12日
- 10月から11月:12日
- 12月から3月:57日
ただし、日本における賞味期限は、本来の安全に生食できる日数よりも余裕をもって設定されています。これは、気温変化や販売時・保管時の温度管理がさまざまであることを考慮しているのでしょう。一般的に、年間を通してパック詰めしてから約2週間(14日)に設定する鶏卵会社が多いといわれています。
卵の賞味期限、さまざまな疑問を解説!
ここからは、卵の賞味期限についてのさまざまな疑問について、解説していきましょう。
賞味期限の過ぎた卵は食べられない?
賞味期限は、生食で安全に食べられる期限を記載しています。万一サルモネラ菌が付着していた場合でも、加熱すれば死滅するので、賞味期限を過ぎた卵であっても、加熱調理すれば食べられます。ただし、卵だけ調理するなら70℃以上で1分以上、他の食品と一緒に調理するなら75℃以上で1分以上加熱しなければなりません。温泉卵・半熟卵などは避けた方がいいでしょう。
ただし、いくら加熱すれば食べられるといっても、あまりに賞味期限を過ぎてしまった卵は危険です。卵を割った時に弾力がなく平べったく広がるような場合などは、食べるのは避けるようにします。賞味期限を過ぎても加熱すれば食べられるものの、7月から9月は16日、4月から6月・10月から11月は25日、12月から3月は57日を目安に食べきりましょう。
調理済み卵の賞味期限は?
卵を加熱調理すれば賞味期限が延びるのではと、ゆで卵などに加熱調理してから保存する人もいるようですが、これは正しい方法なのでしょうか。実は、これは注意が必要です。ゆで卵にして濡れた状態の卵を保管していると、賞味期限内でもサルモネラ菌の発生する恐れがあり、通常よりも早く傷んでしまうのです。半熟卵・殻をむいたゆで卵なら当日中、ひびの入っていないゆで卵は冷蔵保存で3・4日以内に食べるようにしましょう。
また、卵料理は常温で2時間以内には食べるようにしましょう。親子丼や半熟のオムレツなど半熟状態の卵料理は、調理後すぐに食べるようにします。
卵の適切な保管方法は?
卵に記載された賞味期限は、10℃以下で保管することを想定して決められているので、冷蔵保存しましょう。冷蔵庫のドアポケットは開閉で気温差にさらされやすいので、冷蔵庫の奥に保管するのがおすすめです。また、万が一サルモネラ菌の付着している恐れを考えると、パックのまま保管しておいた方が安心です。また、卵の尖った方を下にした方が衝撃に強いので、保管時は尖った方を下向きにしましょう。
まとめ
卵に記載されている賞味期限は、生でも安心して食べられる期限を表しています。賞味期限を過ぎても加熱すれば食べられるものの、正しい方法で保管するようにしましょう。
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